メタボリックシンドロームの予防

メタボリックシンドロームの予防としては、食生活と運動に気をつけることが大切です。

メタボリックシンドロームになりやすい食生活習慣としては、

・朝食は食べないことが多い
・ついつい食べ過ぎてしまうことがある
・外食が多い方だ
・アルコールをほぼ毎日飲む
・毎食野菜を食べない
・早食いだ
・手の届く場所にお菓子や酒を常備している
・夜遅い食事で、食べたらすぐ寝る習慣になっている

などのようなことがあげられます。このような食生活では、エネルギー・脂質、食塩の摂りすぎ、野菜不足などが原因で、メタボリックシンドロームを引き起こし、生活習慣病の要因となってしまいます。1つでも当てはまったら、すぐに改めましょう。


 良い食生活のポイントは次の3つです。

●自分に合った適正エネルギーを保ちましょう。

エネルギーは多すぎると肥満の原因になりますが、少なすぎても健康を保つことができません。まずは、自分の必要量をチェックしてみましょう。

【BMI 判定】
18.5未満 低体重
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満1度
30~35未満 肥満2度
35~40未満 肥満3度
40以上 肥満4度

BMI(Body Mass Index)とは、国際的に用いられている肥満度をはかる指標です。BMIが22の時、最も病気にかかりにくく、理想の体重を算出する基準となっています。

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
※理想の体重(標準体重)=身長(m)×身長(m)×22
※適正エネルギー=標準体重(kg)×25~30kcal 肥満者、高齢者、女性、運動量の少ない方は、標準体重1kgあたりの摂取エネルギーを低めに設定しましょう。

摂取エネルギーを低めに保つコツとしては、 低エネルギー・低脂肪の素材を選び、ボリューム感をアップして満腹感を出し、調理器具を上手に使って油を控えるようにしてみましょう。


●朝食・昼食・夕食と1日3食きちんと摂りましょう。

悪い食習慣は、エネルギーの摂りすぎにつながり、肥満を招きます。食事内容はもちろんですが、食べ方や食べる環境にも気を配りましょう。

・朝食抜き=食事の回数が減ると脂肪が合成されやすくなってしまいます
・早食い=満腹感が得られず過食になってしまします
・ながら食い=知らぬ間に食べ過ぎてしまいます
・まとめ食い=特に夜のまとめ食いは、体脂肪として蓄積されやすくなります
・だらだら食い=常に食べ物が身近にあると、空腹でなくても手がのびてしまいます


●主食、主菜、副菜で4皿そろえましょう

主食・・主として、ご飯・パン・めん類など、体や脳を動かすエネルギーである炭水化物。
主菜(1皿)・・魚・肉・大豆製品・卵など、骨・筋肉・皮膚・内臓を作るたんぱく質。
副菜(2皿)・・野菜や海藻など、体の機能を調節するビタミン・ミネラル・食物繊維。
※汁物・・上記の他に、あと1品、副菜か汁物を添えてもいいでしょう。

それぞれの料理のどれが欠けても、あるいは多すぎても、栄養素の過不足が生じます。これを防ぐためのコツは、主食・主菜は1品ずつ、副菜は2品で同じ調理法を重ねない、主材料を重ねない。の3つです。



次に、メタボリックシンドロームの運動による予防ついてですが、体の機能は年齢と共に衰えていきます。l

通勤や家事で体を動かしたり、趣味などで充実した毎日を過ごし、自分は健康だと思っている方でも、加齢とともに体の機能が衰えてくのは避けられないことです。

「基礎代謝」は30代から低下しはじめ、それまでと同じ生活を送っていても脂肪が蓄積しやすくなります。そして、このような体力・代謝機能の低下をそのままにしておくと、メタボリックシンドロームを招いてしまう危険性があります。

運動によるメリットには、

・エネルギーを消費して、脂肪を燃焼させ、内蔵脂肪が減少
→メタボリックシンドローム(内臓脂肪の蓄積)の予防

・筋肉の質を改善し、インシュリン抵抗性を改善
→糖尿病の予防

・毛細血管の発達と血圧を調整する物質の生成を促し、血圧が安定
→高血圧の予防

・善玉コレステロールが増加し、血流が改善
→高脂血症の予防

・筋肉を増やして基礎代謝を高め、恒常的に消費されるエネルギーが増加
→基礎体力の向上

・筋肉や骨に適度な刺激を与えられ、強まる
→骨粗鬆症、転倒などによる骨折の予防

・自律神経やホルモン分泌のバランスが整う
→ストレス耐性力の向上、リフレッシュ効果


有酸素運動であるウォーキングや水泳などは 脂肪燃焼に効果的です。筋肉や骨に刺激を与え、強く丈夫にする筋力トレーニングは基礎体力を高め、筋肉量の増加によって基礎代謝があがります。

気をつけなければならないのは、怪我の防止のため、ストレッチで筋肉や関節を柔軟にほぐしてから行うことです。また、運動後のストレッチは疲労回復を早めます。

決して無理をせず、自分のライフスタイルに合った運動から始めましょう。通勤中の徒歩や家事など、日常生活での身体活動も含まれます。

運動に苦手意識を持っていたり、忙しくて運動のための時間が取れないという人は、出かける時に車を使わずに歩くなど、身体活動の量を増やすことから始めてみるのもよいです。